オランダ生まれの純日本小説本「新しい幸せ」 一般発売開始のお知らせ

プレスリリース

2018年3月7日

オランダ生まれの純日本小説本「新しい幸せ」
一般発売開始のお知らせ

  犬槇リサは2016年11月、46歳の若さで他界しました。志なかばでした。37歳で病魔に襲われたとき、彼女はそれまでキャリアを積んできたアパレル業界から一転、10代から夢見ていた小説家を志しての執筆活動を開始し、膨大な作品を遺しました。
「新しい幸せ」は、オランダ在住の友人、古田泉が発行人となり、眠っていた作品の数々を丁寧に掘り起こして一冊にまとめ、現地において日本式の本として制作・出版された遺稿集です。
ヨーロッパで生まれた犬槇リサ遺稿集「新しい幸せ」が、このたび日本、そしてbol.comでオランダ・ベルギーにおいても一般発売されます。

犬槙リサ遺稿集

 本書の表紙カバーには、著者の本職がアパレルデザイナーであったことにちなみ、布地の手触りをもたせるために特殊紙を用いました。
デザインは、収載作品の時代背景を彷彿とさせる着物の縞模様を採用し、春の訪れを告げる白木蓮をあしらいました。

この花は、代表作「役儀納め」のヒロイン喜代乃の支えになった重要なアイテムであり、かつ、長い冬を耐えて春の訪れを待ち望んでいた犬槇リサの心でもあります。

日本式の上製本
オランダの書籍は表紙の向き、使用する紙の種類、製本方法など多くの点で日本式の書籍とは異なっています。しかし30年来の友人である古田泉は、日本式にこだわりました。イメージに忠実な装丁のために、出版社BestelMijnBoekのコーディネーター、印刷所とともに試行錯誤を重ね、半年がかりで完成に漕ぎつけました。

収録作品について
本書は、8つの作品で構成されています。
著者の病床生活をのぞかせる一編「一夜」以外、作品の時代背景は20世紀初頭の日本です。しかしながら登場人物たちは、新世紀の華やかさとは縁遠い場所に軸足を置いて生きています。
江戸時代に栄えた宿場町「内藤新宿」の女郎、地方巡業の浅草オペラの劇団、御一新をひきずる若き執事、第一次世界大戦中に敵国人として坂東俘虜収容所に収容されていたウィーン菓子職人の父娘と、日本人の弟子など。
彼らの目を通じて、西洋の影響が強まるなか大衆文化が花開いた、当時の日本が蘇ります。

著者について
犬槙リサ(いぬまき・りさ)
1970年 兵庫県宝塚市生まれ。武庫川女子大学短期大学部 国文学科を卒業したのち、大阪モード学園ファッションデザイン学科に入学。優秀な成績で卒業後、大手アパレル会社や新進の企画事務所、有名ファッションデザイナーのもとで、15年間アパレル企画職に従事した。2007年、長引く体調不良ののち手術を受け、経過観察の日々に、10代の頃の夢でもあった作家を志す。2010年より大阪文学学校に学び、大正時代を舞台とする小説を書きためた。2016年11月、現世での役儀を納める。

本のデータ:
タイトル: 新しい幸せ
著者: 犬槙リサ
言語: 日本語
サイズ・装丁: A5、237ページ、ジャケット付きハードカバー
ISBNコード:978-94-6247-072-9(出版地:オランダ)
日本の販売サイト:https://pt-trans.nl/bookshop/
オランダ・ベルギーの販売サイト:bol.com

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お問い合わせは、発行者・古田泉 mail@pt-trans.nl まで。

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