犬槙リサ遺稿集「新しい幸せ」

販売のご案内

 

犬槇リサは2016年11月、46歳の若さで他界しました。

37歳で病魔に襲われたとき、彼女はそれまでキャリアを積んできたアパレル業界から一転、10代の頃から夢見ていた小説家を志して執筆活動を開始し、膨大な作品を遺しました。

「新しい幸せ」は、オランダ在住の友人、古田泉(Piece Together代表)が発行人となり、眠っていた作品の数々を丁寧に掘り起こして一冊にまとめ、現地で日本式上製本として制作・出版された遺稿集です。

 

犬槙リサ遺稿集「新しい幸せ」2018年3月発売

レビューを書く

55つ星のうち平均5(2件のレビューに基づく)

美しい

2018-05-02

一目見て、美しいと思った。 柔らかくも凛と咲く木蓮の花をあしらった、粋な表紙。頁を繰れば、これまた美しい言葉が連なり、生き生きと物語を創っている。 犬槇氏が構築した世界はリアルだ。読み進めるにつれ、もしかしたらすべてが実在していたのではないか、と錯覚するほどだ。おそらく、氏が相当な知識と想像力を持っていたからだろう。物書きを趣味とする者として、羨ましいかぎりである。 作品の多くは大正時代を描いたものだが、なかに一編だけ、病院での一夜を綴った現代作品がある。一時的な病気で入院した主人公と長く臥せっている老人のやりとりに「命」を考えさせられた。ある意味、氏がもっとも伝えたいテーマなのかもしれない。 どの作品も犬槇氏らしい。何度読み返しても、そこそこに氏の想いがきらりと光る。文字通り、魂のこもった美しい作品なのである。 最後に収録された「大正オペラ座」は、第一章・第一幕のみだ。とても気になるところで終わっているので、いつかどこかで是非読ませて欲しい。それまで「新しい幸せ」を読んで我慢しようと思う。

京元

描写の細かさ

2018-04-28

収められている短編の時代背景の多くが大正であり、登場人物たちは10代からギリ20代の若者たちです。 大正時代というと第一次世界大戦が始まる一方、目まぐるしく文化が花開き、 当時のまま残されたモダンなデザインの建築物の中に入ると現在でもそのロマンチックな雰囲気を味わうことが出来ます。 そんな物騒でもあり妖艶な時代を、著者はまるでタイムマシーンに乗って昨日見てきたかのように細部にわたって描写しています。 よほど好きでなければここまで調べて書く事は無理、という濃さです。 とくに「コンディトライ」では、洋菓子についてここまで細かく設定して書いた小説は他にはないだろうと思うほど。 時代設定描写の細かさに対し、登場人物たちのセリフはラフな口語調でいつの時代も変わらない若者像があります。 「役儀納め」で主人公たちが浅草に出掛ける場面では一気に瑞々しさが増し、堅苦しさから解放された二人の 鮮やかなシーンが広がって行きます。

きさな

表紙

内容紹介
8つの中編・短編小説で構成された作品集。著者の入院生活をのぞかせる「一夜」以外は、20世紀初頭の日本を舞台とした作品である。物語に登場する人々は、内藤新宿の女郎や御一新をひきずる若き執事、収容所から解放されたウィーン菓子職人の父娘と洋菓子店を立ち上げる日本人弟子、地方巡業の浅草オペラの劇団…と実に多彩である。西洋の影響が強まるなかで大衆文化が花開いた、当時の日本が色鮮やかに蘇る。

価格:2,700円(送料別)
送料(全国均一):ゆうメールでお届けします。
送料1冊:450円、2~3冊:560円

◇お支払い方法◇ 銀行振込、ペイパルがご利用いただけます。
注文する
(オランダ、ベルギー国内への配送は、bol.comで承っております)

犬槙リサ遺稿集タイトル 新しい幸せ
著者犬槙リサ
装丁・
サイズ ジャケット付き、ハードカバー 、A5、237ページ
ISBNコード
978-94-6247-072-9
出版地
オランダ

収録作品
雪椿
牡丹雪
役儀納め
船底の馬
コンディトライ
ジゴロ
一夜
大正オペラ座

◇書籍に関するお問い合わせ◇ ご質問やお問い合わせは、bookorder@pt-trans.nl までご連絡ください。
半日以上お待たせする場合もございますが、できるだけ早急にお返事いたします。

著者についてこれまでの歩み